ヒプノセラピーの歴史

ヒプノセラピーは精神の潜在意識からヒプノセラピストがコミュニケーションをとり、問題改善を行う心理療法として新しい方法と認識されています。
元を辿れば、催眠療法は有史以前、3千年もの前から治癒や宗教的儀式として用いられてきている深い心理医療の歴史を辿ることとなります。

ヒプノセラピー療法のはじまり

ヒプノセラピーの起源となる最古の記録はエジプトの医学文献「エベルス・パピルス」から記録され、古代ギリシャでも僧侶が病気の治療のために催眠療法を用いました。シャーマンや祈祷師、薬剤師などが神や魂からのメッセージやパワーを受け取る目的とするトランスと呼ばれる瞑想も催眠状態を活用しており、催眠は古代から精神世界と深い結びつきを与えてきました。

明確なヒプノセラピーとの繋がりは、18世紀末、オーストリアの医師フランツ・アントン・メスメルがパラケルススの思想「大宇宙と小宇宙」を発展させた「動物磁気説」を用いた治療を行ったことからはじまります。
1843年にはイギリスの医師ジェイムス・プレイドが神経心理学からの説明を試みた「神経催眠学」を著し、ここで催眠を表す「ヒプノティズム」と呼ばれる言葉が生まれました。
 19世紀後半になるとヒプノーシスの定義を巡り、ナンシー学派とサルペトリエール学派による催眠に対しての論争が行われました。1889年には国際会議がパリで開かれ、最終的にナンシー学派が正しいと証明されました。以降、催眠は心理的な現象とされ、有名な心理学者フロイトもその折に催眠に興味を持つようになりました。彼の提言する「自由連想」のテクニックは名前を変えた催眠といわれています。
 20世紀初頭にはフランスの薬剤師エミール・クーエが催眠効果は自己暗示によるものであると唱え、徐々に心理療法として認められていきます。その後、第二次世界大戦、朝鮮戦争の時代後にはヒプノセラピーで、多くの戦争神経症患者を短期間で治療したことから医療分野で広まりを見せます。そして、天才的催眠療法家ミルトン・エリクソンの功績により催眠療法が社会的に受け入れられ、1958年には米国医師会が療法として承認しました。
1980年代後半にはヒプノセラピーの権威といわれるブライアン・ワイス博士の「前世療法」がベストセラーになり、日本でも認知されるようになっていき、現在に至ります。

ヒプノセラピーと催眠術

ヒプノセラピーと催眠術は同視されがちですが、よくテレビなどで行われている催眠術はいわゆるショー目的のパフォーマンスとして用いられ、催眠状態になっている間にイメージなどを刷り込ませることにより、無意識に暗示させることで動きなどに指示を与える技術です。
対しヒプノセラピーは、催眠状態を使うこと自体は同様ですが、カウンセリングにより潜在意識とつながっていきながら、心の癒しやその方の内なる事柄から好転に向かうためのサポートを行うための療法であるため、セラピー中も催眠状態になっている方は暗示に操られるということはありません。